数少ない日本のゴルフ映画のなかで唯一シリーズ化までされた「プロゴルファー 織部金次郎(全5作)」、通称「織金(おりきん)」。
原作は あの映画「刑事物語(全5作)」の武田鉄矢。
もとは「ビッグコミックスペリオール」で作画、高井研一郎(1937-2016)により連載された日本漫画。
それにしても「刑事物語」といい「織部金次郎」といい、それぞれシリーズで5作を原作から製作した武田鉄矢って物凄い才能と努力の人なんだと、あらためて感銘。
⛳プロゴルファー 織部金次郎 | 邦画 | シリーズ映画(全5作)
第1作 | 1993年 | プロゴルファー 織部金次郎 |
第2作 | 1994年 | パーでいいんだ |
第3作 | 1995年 | 飛べバーディ |
第4作 | 1997年 | シャンク、シャンク、シャンク |
第5作 | 1998年 | 愛しのロストボール |
ざっくりあらすじ
ツアーで1勝もできず日々、レッスンプロとして生計を立てていたバツイチの織部金次郎(おりべ きんじろう)。新しい練習場でレッスンすることになり、そこで出会った町の人々の影響で再びかつてのツアートーナメントに挑戦することとなる。
スタッフ・キャスト
原作・脚本:武田鉄矢
製作:レオナ、武田鉄矢商店、東映(EP1)、ポニーキャニオン(EP2~EP5)ほか
監督:杉村六郎(EP1)、武田鉄矢(EP2~EP5)
他脚本:島裕次(EP1)、満友敬司(EP1、EP3~EP5)
音楽:原田末秋
出演: 武田鉄矢, 財前直見, 阿部寛, 大滝秀治, 小野みゆき
✑ 編集後記
本作の原作は、主演でもある武田鉄矢だが、1979年『3年B組金八先生』の出演と主題歌『贈る言葉』によって、一躍トップスターとなったことによる稼ぎは、自身の夢だった映画製作へと向けられ、3年後の『刑事物語(全5作シリーズ / 1982年~1987年)』へと昇華した。
作詞家でもあった武田鉄矢の才能は、映画の原作・脚本づくりにも生かされ『刑事物語』はもとより、本作『プロゴルファー 織部金次郎』シリーズにも引き継がれた格好だ。
ただ、いずれのシリーズも5作までで終了しているのは、「原作・脚本・主演(本作ではEP2~EP5の監督まで)」を一人で続ける限界と言えるのかも知れない(残念だが)。
1969年から1995年(26年間)まで48作品を世に送った『男はつらいよ』や、1988年から2009年(21年間)にかけて22作品公開された『釣りバカ日誌』のように、幅広い世代とターゲットを設定しなくては興行的な成功は望めないのであろう。
しかし、ド真正面からゴルフを描いたのは、日本の映画史上『プロゴルファー 織部金次郎』が初めてであるというその功績は大きい(※1)。
(※1)日本初のゴルフ映画は『ゴルフの夜明け前(1987年)』だが、幕末を舞台にした荒唐無稽な内容であること。また1994年の『熱血ゴルフ倶楽部』は企業内部のプロジェクトがらみという設定なので、やはり『プロゴルファー 織部金次郎』が日本で初めての本格ゴルフ映画であると言っても過言ではない。