50年前の骨董品PINGアンサーを使った選手が出した大記録の話し。
50年前のPING アンサーで米国ツアー最少ストローク記録を破った男
2016年8月、PGAツアーの下部ツアーにあたるウェブドットコムツアー(現在の名称は コーンフェリーツアー)のエリー・メイ・クラシック(コース:カリフォルニア州ヘイワード、TPCストーンブリー | パー70)に出場したステファン・イェーガー選手が4日間トータルスコア『250』を叩き出し、ぶっちぎりの優勝を飾りました。
30アンダーでの優勝は、PGAツアー、ウェブドットコムツアー、PGAツアーチャンピオンズを含め米国ツアー史上初の快挙。
1ラウンド”58″は公式戦最少ストローク | 石川遼、ジム・フューリック以来
『250』の予兆となったのが、初日のスコア”58″。
1ラウンドで”58″を初めて記録したのは 2010年の中日クラウンズ最終日の石川遼。彼はこれで大逆転優勝を飾ってます。当時は 公式戦としては初の世界最少ストロークとなりギネスブックにも載りました。
その後、二人目は PGAツアーで2016年のトラベラーズ選手権最終日、ジム・フューリックが出してます。
ステファン・イェーガーが世界で三人目の公式戦”58″記録保持者となりました。
『250』という数字の物凄さは タイガーやフィルも凌駕する
ステファン・イェーガーがつくった『250』がどれほど物凄い記録なのか。
エリー・メイ・クラシックの設定はパー70なので、4日間すべてパーとすれば 280ストロークのイーブンパー。仮に毎日5アンダーで回ったとしても 260ストロークの20アンダー。毎日7アンダーパーで回っても 252ストロークの28アンダーで、まだ2打足りない。
これをステファン・イェーガーは 初日『58』の12アンダー、二日目『65』の5アンダー、三日目『64』の6アンダー、四日目『63』の7アンダー。初日の爆発もさることながら、2日目~4日目を1打づつ縮めていくという尻上がり様が凄くないですか。4日間も連続してゾーンに入っちゃってるのも脅威ですが。
それまでの最少ストローク記録は 2003年、バレロテキサスオープン(パー70)でトミー・アーマーが保持していた『254』の26アンダー。これを4打も縮めたんですね。
ゴルフ界を代表するお二人、タイガー・ウッズとフィル・ミケルソンのベストストロークと比べてみましょう。
フィル・ミケルソンは 2013年フェニックスオープン(パー71)の優勝スコアが自己最少の『256』の28アンダー。
タイガー・ウッズの2007年ザ・ツアーチャンピオンシップ(パー70)の優勝スコアが自己最少の『257』の23アンダー。
ポンッと突然、爆発的スコアが出たりするのがゴルフ。だからゴルフは、やめられません。
人類最少ストローク “55”を出した男 》 ライン・ギブソン
動画 | ステファン・イエーガー、エリ・メイ・クラシックでの記録58
ステファン・イエーガーは、2016年のEllie Mae Classicの初日ラウンドで、Web.comツアー、ヨーロピアンツアー、PGAツアー・チャンピオンズの歴史で史上初の1ラウンド12アンダー、スコア”58″という完璧なラウンドを叩き出しました。※PGAツアーでは、ジム・フューリックが達成してます。
✑ 編集後記
しばしば、こういった大記録が出るたびに「もう二度とこんなスコアを出す人間は現れないよなー」などと思いがちだが、誰が言ったか「記録は破られるためにある」というのが現実だったりする。
それにしてもこういった記録を破る瞬間をリアルタイムで見られたときの感動はひとしおだ。直近では 昨年2019年8月の全英女子オープンの渋野日向子の初出場初優勝がそうだった。最後のパッティングでボールがカップインした瞬間、両手を叩きながら涙していた自分がいた。先日の全米女子オープンは惜しかったが、またこうした感動を来年も期待したい。
渋野日向子が使ってるパター | PING SIGMA2 Anser
日本のツアー選手でPINGと用具契約を結んでる選手は多く、JLPGAでは 渋野日向子を筆頭に、鈴木愛、比嘉真美子、上原彩子、セキ・ユウティン、S.ランクン、カリス・デイビッドソン、前田陽子、吉川桃、大出瑞月、小倉ひまわり(敬称略)の11名。
JGTOには チャン・キム選手をはじめ、大槻智春、額賀辰徳、永野竜太郎、ガン・チャルングン、ピーター・カーミス、塚田好宣、高柳直人、福永安伸、大岩竜一、アダム・ブランドの11名。
最後に渋野日向子が使用しているパター、ピン・シグマ2・アンサーを紹介します。
渋野選手の活躍ぶりは 説明するまでもありませんが、パッティングは 2019年のJLPGAスタッツをみると「平均パット数(1.75)」で堂々の2位でした。
全英女子オープンを生でTV観戦してた人々が 目の当たりにした、あの強気のパッティングで次々とホールインする姿は圧巻でした。とくに優勝を決めた最終18番、少し眺めの距離を残した下りのラインを読み切って、見事優勝を決めたラストパットには鳥肌が立ちました。
2020年の全米女子オープン最終日をTOPで迎えたときは、すわ 優勝するかも!また全英オープンでの夢再び!と期待が寄せられましたが、惜しくも4位でフィニッシュとなりました。
でも、世界中たくさんのファンを楽しませてくれた一戦だったと思います。それに2019年の全英女子オープン優勝がフロックじゃなかったことをこの大会でまざまざと見せつけてくれた全米オープンでもありました。
PING SIGMA2 Anser CM動画です。視聴する前に音量を確認してください。